釜山の方言を学ぼう!
こんにちは。cocoです。
以前も一度このブログで釜山の方言についてご紹介しましたが、
今回は、韓国第二の都市「釜山(부산)」で話されている独特な方言「釜山方言」について、
前回よりも詳しくじっくりご紹介したいと思います。
釜山の方言は、地域性が色濃く出ていて、
聞くだけでもテンションが上がるようなエネルギッシュな響きが特徴です。
韓国語の標準語(서울말)に慣れている人にはちょっと難しく感じるかもしれませんが、
学べば学ぶほど、そのユニークな魅力にハマってしまいますよ!
前回の記事と重複する箇所もあるかもしれませんが
保存版として今回の記事を参考にしてもらえたら嬉しいです!
釜山方言とは?

釜山方言は、「慶尚道(경상도)」地域で使われる方言の一種です。
韓国の方言は大きく6つのエリアに分かれていますが、
釜山はその中でも“慶尚道サトゥリ”に属します。
特徴としては、イントネーションの高低差が激しく、語尾の変化がユニークで、
標準語とはかなり異なる印象を受けます。
また、釜山の人々は情熱的で親しみやすく、その人柄が方言にもにじみ出ています。
方言の特徴①:イントネーションと語尾がとにかく特徴的!

釜山方言の第一印象は、「なんだか怒ってるみたい!」と思う人が多いです。
実は怒っているわけではなく、話し方の抑揚や語尾の上がり方がそう聞こえてしまうのです。
例えば、
- 標準語:「왜 그래요?(どうしたんですか?)」
- 釜山方言:「왜 그라노?」
この「그라노?」の語尾が一気に上がる感じが特徴です。

方言の特徴②:「데이」「노」「아이가」など語尾の変化が豊富

釜山方言では、語尾のバリエーションが豊富です。以下はよく使われる語尾です。
語尾 | 用途・ニュアンス |
---|---|
데이 | 丁寧で柔らかい印象。「だよ」「です」的な役割 |
노 | 疑問や確認のニュアンス。「〜か?」「〜だろ?」 |
아이가 | 「〜じゃんか」「〜やんか」に近い感覚 |
【例文】
- 「진짜데이~」 → 「本当だよ〜」
- 「그라믄 안 된다 아이가!」 → 「それじゃダメやんか!」
- 「밥 무러 가노?」→ 「ご飯食べに行くんか?」
【比較表】釜山方言と標準語の違い

意味 | 標準語 | 釜山方言 | 釜山弁読み方 |
---|---|---|---|
そうだよ | 그래 | 그라아이~ 맞다 아이가~ | くらあい~ まった あいが~ |
大丈夫? | 괜찮아? | 개안나? | けあんな? |
どこに行ったの? | 어디 갔어? | 어디 갔노? | おでぃ がんの? |
最高 | 최고 | 쥑이네! | ちぇぎね! |
やめて | 그만 해 | 고마해 | こまね |
どうしたの? | 왜 그래? | 왜 그라노? | うぇ ぐらの? |
どこに | 어디에 | 오디고 | おでい |
大変だ | 힘들다 | 죽긋다 | ちゅぐった |
あなたは | 너는 | 니는 | にぬん |
とても | 엄청 | 억수로 | おくすろ |
本当? | 진짜? | 참말이가? | ちゃむまりが? |
これ何? | 이거 뭐야? | 이거 뭐꼬? | いご もご? |
そうだよ | 맞아 | 하모 | はも |
何と言ってるの? | 뭐라고 하니? | 뭐라카노? | もらがの? |
たくさん | 많이 | 마이 | まい |
ありがとう | 고마워 | 고맙데이~ | こまぷでい~ |
どうしたの | 왜 그래 | 와카노 | わがの |
お疲れ様 | 수고해 | 욕봐래이 | よっばれい |
違うよ | 아니야 | 아이다 | あいだ |
怒った | 화났어 | 빡쳤다아이가 | ぱくちょったあいが |
疲れた | 피곤하다 | 찌뿌둥하다 | っちぶとぅんはだ |
元気? | 잘 지내니? | 잘 지내제? | ちゃる じねな? |
不便だ | 불편하다 | 찝찝하다 | ちっちぱだ |
どうすればいいか分からない | 어떻게 해야 할지 모르겠다 | 우짤지 모르겠다 | うじゃるじ もるげった |
汚い | 더럽다 | 추지브라 | じゅじぶら |
やめて | 그만해라 | 고마해라 | こまねら |
何言ってるの | 뭐라고? | 머라카노? | もらがの? |
釜山の方言が使われているドラマや映画

1. 『応答せよ 1997』
『応答せよ1997』(原題:응답하라 1997)は、2012年に韓国のtvNで放送されたテレビドラマで、
1990年代の韓国・釜山を舞台に、青春時代を過ごした若者たちの成長と友情、
恋愛を描いたノスタルジックなヒューマンドラマです。以下にあらすじを紹介します。
あらすじ:
物語は2012年、33歳になった主人公たちが高校の同窓会で再会する場面から始まります。
そこから物語は1997年にさかのぼり、高校生だった彼らの青春の日々が描かれていきます。
主人公のソン・シウォン(チョン・ウンジ)は、H.O.T.の熱狂的なファンで、
おっちょこちょいだけど情熱的な性格の持ち主。
彼女の親友であり幼なじみのユン・ユンジェ(ソ・イングク)は、成績優秀でクールな男子生徒。
彼は密かにシウォンに恋心を抱いていますが、なかなか気持ちを打ち明けられません。
1997年当時のK-POPブーム、友情、家族の問題、進路への葛藤、
そして切ない初恋――彼らが経験する青春のすべてが詰まった物語が展開されていきます。
時折、未来の2012年の場面が挿入され、「誰が誰と結婚するのか?」
という謎を視聴者に投げかけながら進行する構成も特徴です。
登場人物(主なキャスト):
- ソン・シウォン(演:チョン・ウンジ / Apink)
- ユン・ユンジェ(演:ソ・イングク)
- モ・ユジョン(演:シン・ソユル)— シウォンの親友
- カン・ジュニ(演:ホヤ / INFINITE)— ユンジェの親友
- ト・ハクチャン(演:ウン・ジウォン / Sechs Kies)
- パン・ソンジェ(演:イ・シオン)
特徴・見どころ:
- 90年代後半の韓国文化(K-POP、ポケベル、カセットテープなど)へのノスタルジー
- ラブコメディとミステリー要素をミックスしたストーリーテリング
- 実際のアイドル出身キャストによるリアルな演技と音楽の融合
- 視聴者を引き込む「誰と誰が結ばれるのか?」という謎解き形式
このドラマは、のちの『応答せよ1994』『応答せよ1988』へとつながる「応答せよシリーズ」の第1作として高い評価を受け、韓国だけでなく日本や他のアジア地域でも人気を博しました。青春ドラマや90年代文化に興味がある人には特におすすめです。
2. 『ゴールデンタイム』
韓国ドラマ『ゴールデンタイム』(原題:골든타임)は、
2012年にMBCで放送された医療ヒューマンドラマで、緊急医療の最前線で命と向き合う医師たちの
葛藤や成長、現実の医療制度への問いを描いた作品です。
主演はイ・ソンギュンとファン・ジョンウム。
あらすじ:
主人公イ・ミヌ(イ・ソンギュン)は、研修医として忙しくも安定した毎日を送っていたが、
ある日、地方の大学病院に異動となり、外傷外科チームに配属される。
最初は軽い気持ちで医療に向き合っていたミヌだったが、緊急患者たちと向き合う中で、
“命の瀬戸際”に立つ現実を目の当たりにし、自分の無力さに打ちのめされる。
一方、財閥の娘でありながら志を持って医師になったカン・ジェイン(ファン・ジョンウム)も、
同じ病院で研修医として奮闘していた。
命を救うために妥協を許さないチェ・イノク教授(イ・ソンミン)の指導のもと、
2人は厳しい現場で成長していく。
登場人物:
- イ・ミヌ(演:イ・ソンギュン)— 外傷医療の厳しさに目覚めていく若き医師
- カン・ジェイン(演:ファン・ジョンウム)— 正義感あふれる女性医師
- チェ・イノク(演:イ・ソンミン)— 卓越した技術と信念を持つ外傷専門医
- シン・ウンア(演:ソン・ソンミ)— 同僚医師
見どころ:
- 韓国では珍しい「外傷医療」に真正面から取り組んだ社会派ドラマ
- 医師としての信念、命の尊さ、医療制度の矛盾などをリアルに描写
- 実在の医療現場をモデルにした脚本とリアリティのある演技
- スピード感ある展開と重厚な人間ドラマ
『ゴールデンタイム』は、単なる医療ドラマではなく、
「命の価値」や「医療の限界」について深く問いかけてくる作品です。
感動と衝撃、そして医療現場への尊敬が込められた秀作です。
3. 『ペントハウス』
韓国ドラマ『ペントハウス』(原題:펜트하우스)は、
2020年〜2021年にSBSで放送された大ヒットサスペンス・復讐劇です。
上流階級の人々が集う超高級タワーマンション「ヘラパレス」を舞台に、
欲望、秘密、復讐、母性愛が絡み合う衝撃の物語が展開されます。
あらすじ(シーズン1の概要)
ソウルの中心にそびえる100階建ての超高層マンション「ヘラパレス」。
そこに住む住人たちは、富・地位・名声を手に入れた者ばかり。
彼らは自分たちの子どもを名門音楽学校に入学させ、さらなる成功を狙っています。
主人公の一人であるシム・スリョン(演:イ・ジア)は、
ヘラパレスの「クイーン」と呼ばれる存在で、完璧な妻、母としての生活を送っていた。
しかし、ある日、少女の謎の死をきっかけに、彼女の人生は一変する。
一方、元貧困層出身でのし上がろうとするチョン・ソジン(演:キム・ソヨン)は、
音楽界の権威として圧倒的な力を持つ野心家。
そして、貧しい過去を持ちながらも成功を夢見て必死に生きるオ・ユニ(演:ユジン)は、
愛する娘を上流社会に押し上げるために奔走する。
3人の女性の間に起きる対立、秘密、裏切り。そして、娘を守るためにどこまで手を汚せるのか――。
見どころ:
- 毎話が衝撃展開。裏切り・復讐・殺人が連鎖
- 上流社会の虚飾と堕落を鋭く描写
- 子どもたちを巡る“教育戦争”のリアリティ
- 豪華俳優陣の怪演・熱演
- シーズンごとにスケールアップする復讐劇
韓国で社会現象級の人気を博し、毎週視聴者の予想を裏切る展開で話題をさらいました。
ドロドロの愛憎劇、スリル満点のストーリー展開、
俳優陣の名演が好きな方には強くおすすめできる作品です。

このドラマは「ク・ホドン」がとてもわかりやすい釜山弁なので
ぜひチェックしてみてください!
4. 『ヴィンツェンツォ』
韓国ドラマ『ヴィンチェンツォ』(原題:빈센조)は、
2021年にtvNで放送されたダーク・コメディ×法廷サスペンス×マフィアアクションを融合させた
エンターテインメント作品です。主演はソン・ジュンギ。
あらすじ:
主人公ヴィンチェンツォ・カサノ(ソン・ジュンギ)は、
イタリアのマフィア“カサノ・ファミリー”の顧問弁護士。
韓国生まれだが、幼い頃イタリアに養子に出され、冷酷かつ頭脳明晰な策略家としてマフィアの世界で生きてきた。
ある日、ボスの死をきっかけにファミリー内で対立が激化し、
ヴィンチェンツォは韓国へ一時帰国する。目的は、ソウルにある「クムガ・プラザ」の
地下に隠された莫大な金塊を手に入れることだった。
しかし、クムガ・プラザはすでに違法な手段で巨大企業「バベルグループ」に
乗っ取られようとしていた。そこで彼は、型破りな弁護士ホン・チャヨン(チョン・ヨビン)
と手を組み、住民たちと共に腐敗企業に立ち向かう。
ヴィンチェンツォはマフィアで培った“非合法”な手段を駆使し、法では裁けない悪に報復を仕掛けていく――。
主な登場人物:
- ヴィンチェンツォ・カサノ(ソン・ジュンギ):イタリアマフィアの顧問弁護士。頭脳明晰で非情な策略家。
- ホン・チャヨン(チョン・ヨビン):正義感と行動力にあふれる、型破りな女性弁護士。
- チャン・ジュヌ(オク・テギョン / 2PM):チャヨンの同僚で、一見無害だが…?
- バベルグループ:韓国政財界に深く食い込んだ、悪徳巨大企業。
見どころ:
- 正義と悪の境界を超える「ダークヒーロー」ヴィンチェンツォの活躍
- 法と暴力、策略と人情が交錯する痛快なストーリー展開
- 笑いあり涙ありの“クセ強”な住人たちとのチームプレー
- スタイリッシュな映像と音楽(特にクラシックBGMの使い方が印象的)
- ソン・ジュンギのカリスマ的演技とイタリア語シーンも話題に
『ヴィンチェンツォ』は、エンタメ性と社会風刺を融合させた新感覚ドラマで、韓国だけでなく世界中で人気を博しました。悪には悪で立ち向かう――そんな“裏の正義”を描いた痛快な復讐劇です。

チェ・ミョンヒ役のキム・ヨジンさんの釜山弁がとても印象的!
まとめ:釜山方言は文化そのもの!
いかがでしたか?
釜山の方言は単なる言葉の違いではなく、釜山の「人情」「リズム」「温かさ」を体現した文化そのもの。最初はちょっと戸惑うかもしれませんが、聞き慣れてくるととても楽しく、親しみやすさを感じられるようになります。
釜山旅行の際には、ぜひ「고맙데이」「맞다 아이가」など、ちょっとした方言を使ってみてください。地元の人との距離がぐっと縮まるかもしれませんよ!
最後まで読んでいただきありがとうございました!
コメント